
不動産査定は間違うこともあります。だからこそ正直にお伝えしたい
不動産を売却するとき、「いくらで売れるのか?」は最も気になることの一つだと思います。
私たち不動産会社は、周辺の成約事例や現在の売出物件、土地・建物の状態などを調べて査定価格をお伝えします。しかし、査定価格は「この金額で必ず売れる」という保証ではありません。
今回は、私自身の査定について考えさせられた出来事がありました。
約1年前、ある中古住宅の売却をお任せいただきました。当初、私は「このくらいなら売却できるのではないか」と考え、売主様にもその見通しをお伝えしました。
ところが、実際に販売活動を続けても、お問い合わせは思ったほどありませんでした。何度か価格を見直しましたが、市場の反応は厳しい状況でした。
そこで買取・再販を行う業者にも相談し、これまでの反響なども含めて改めて考えたところ、私の当初の査定は300万円程度高かった可能性があると感じました。
今回、特に気になったのが「居住用財産の3,000万円特別控除」の期限です。
高く売ることも大切ですが、高い価格にこだわって時間が経過し、税制上の特例を利用できなくなれば、結果として売主様に不利益が生じる可能性があります。
そこで私は売主様に、
「当初の私の見通しが甘かったと思います。申し訳ありません」
と正直にお伝えしました。
そして、「弊社に気を遣う必要はありません。他の不動産会社にも相談してください。より良い方法があれば、そちらを選んでいただいて構いません」とお伝えしました。
正直なところ、他社へ依頼されることも覚悟していました。
しかし、その後、売主様から価格を見直して販売を続けたいとのご連絡をいただき、現在も弊社で販売活動を続けています。
売主様が私の説明をどのように受け止められたのかは分かりません。それでも、引き続き大切な不動産の売却を任せていただけたことを、大変ありがたく感じています。
今回、私自身も改めて勉強させていただきました。
不動産査定に「絶対」はありません。
大切なのは、高い査定額を提示することだけではなく、思うように売れなかったときに、その理由をきちんと説明すること。そして、自分の見通しが違っていれば正直にお伝えすることだと思います。
これからも、不動産会社の都合ではなく、「売主様にとって何が一番良いのか」を考えながら、一件一件の売却に向き合っていきたいと思います。